BYO PEOPLE

先輩紹介

えん<宴>
音楽のような心地よい接客で宴を盛り上げる

久保智嗣

和食・酒 えん 品川ウィング高輪店

BYOの接客は「フリーセッション」がメイン

人生のテーマは「人を楽しませること」。そう言って憚らない私が、人を喜ばせる方法として選んだのが「音楽」と「おいしい食事」。レゲエバンドでプロとして食べていくことを夢見ながら、仕事としては飲食業を選んできました。BYOにはアルバイトとして入ったんですが、1年経った頃「そろそろ正社員になれば」って打診されまして。結婚して子どももできたし、家も買いたい。それで社員になりました。
でも雇用条件が変わっただけで、自分自身は何も変わっていませんね。音楽も続けているし、店でも「お客様を楽しませたい」というのが一番の目標。 BYOには厳しいマニュアルもないし、そこに座ったお客様の様子を見ながら、快適に感じてもらえるサービスを探り当てる他ない。そう、相手の音を聞きながら、自分の音を合わせていくフリーセッションみたいな接客なんです。

一人ひとりが主体的に動くことが求められる環境

譜面(マニュアル)を正しく再現するというより、その場に集まった人たちと瞬間的に共鳴しあう。そんなライブ感があるBYOの接客は、自分に合っていると思います。とはいえ、254席もある大型店舗の和食屋でテーブルサービス型という環境下では、まだまだ試行錯誤が必要。大きな「ハコ」を360度見渡せる「ふくろうの目」がほしいです。
それでも最近、少しは視野が広がったかな。たとえば、BYOは誰かの指揮で動くのではなく、一人ひとりが主体的に動くことが求められるので、そうでない人が交じると不協和音として目立つんです。それに対して以前はイライラしていたけれど、今はそんな人をノセて楽しく仕事をしてもらうことも、私の仕事の1つなのかなと。そう思うようになったせいか「社員になってやさしくなったね」とよく言われます。それは、もともとだとは思うんですけれどね(笑)。

世界に通用する「和食文化」の担い手として

今のお店で働くうちに、変わってきたことがもう1つあります。それは世界に対する「和食の担い手」としての意識。近隣に大型ホテルが多いためか、外国からのお客様の比率は約1割にも上ります。海外旅行ではその国で最高の食事を楽しみたいと思うし、入ったレストランがその国の印象を左右することもありますよね。
そう考えたら、自分が日本代表になったつもりで接客しなくてはと。そのためには世界標準のサービスマナーとともに、日本料理の知識にも精通していることが不可欠でしょう。正直勉強は嫌いで、だから音楽と食べ物を選んできたはずなのですが、ここへ来て向学心がむくむくと。その姿に妻もちょっと驚いています。

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